<博多織について>
「博多織」は、国が指定した福岡の「伝統的工芸品」です。
「博多織」は、厚地の張りのある丈夫な「絹織物」です。
その堅牢さが帯地に適しており、結んだ帯が緩まず、 また、ほどきやすいという機能性を兼ね備えています。
そのため、帯に刀を差したり、激しい動きをする男性の帯として重宝されていました。
現代では女性用の様々な帯も織られ、 また薄手の物も作られ、「絹織物」独特の繊細さが好評です。
<「献上博多」について>
「献上博多」と呼ばれる柄は、「博多織」を代表する模様です。
江戸時代に筑前藩主・黒田長政(1603-1623年)が幕府に「博多織」を献上したことに由来しています。
「献上柄」は、仏具として使用する「独鈷」と「華皿」をモチーフに、それぞれを図案化した柄です。
「厄除け」や「家内繁盛」などの意が込められています。
<「五色献上(ごしきけんじょう)」について>
「古式染色」によって、「青・紫・赤・紺・黄」の五色に彩られた「献上博多」は、
江戸時代に「黒田長政」が幕府に献上していたことから『五色献上』と呼ばれています。
もとは「隋」の思想で、森羅万象のあらゆる現象の基を「木・火・土・金・水」の五つとし、
その「五行説」を色と結びつけたものです。
日本では、儒教の五常に対応し、「青は仁」、「赤は礼」、「黄は信」、「紫は徳」、「紺は智」、
をそれぞれ象徴しています。
「写真提供・福岡市」