<新車購入時の「残価設定型ローン(またはクレジット)」の基礎知識>
自動車メーカーが数年前に大々的にCMで宣伝した事もあり、何となく耳にする事が多くなった”残価設定型ローン”について簡単に説明します。
☆そもそも「残価設定ローン」とは何?
通常、新車を購入する際には、車両本体価格を「現金一括払い」で支払うか、最初に「頭金」を入れて残りをローンで支払うかのどちらかになります。
例えば200万円の新車を購入する場合は、現金一括だと200万円の支払い、ローンを組む場合は200万円+「ローンの利息」分を支払うことになります。
一方、「残価設定型ローン」の場合は、新車を購入する際に、“3~5年後に手放す”ことを前提でローンを組みます。
もちろん3~5年後に買い取ることもできます。
200万円の車でも3~5年後には、「下取り」に出すと、新車購入時の”30~50%”ぐらいの価格にはなります。
「残価設定型ローン」では、この30~50%に当たる金額で、”3~5年後に下取りしてもらう前提”で車を購入することになります。
例えば、200万円の新車が、100~140万円でローンが組めてしまうのです。
☆「残価設定型ローン」の3~5年後の購入者の選択
「残価設定型ローン」では、基本的には”将来的な下取り価格”を設定して購入することになります。
この3~5年のローンが終了した際に、購入者は以下の3つから『その後、車をどうするか?』を選ぶことになります。
◎車を買い替える
この場合が、「残価設定型ローン」と聞いて一番しっくりくるかもしれません。
当初の予定通り、残価設定で購入した車を販売店に返却し、新しい車を買うことになります。
通常、車を買い替える際は、乗っている車を買い取りに出すか、下取りに出します。
ですが、「残価設定」で購入している場合は、次の車の乗り換えの際には、「買い取り」にも「下取り」にも出せません。
(その代わりに、新車で購入した際に「下取り額分」がローンに含まれていないので、月々のローンの支払いが少なくなるのです。)
◎車を返却する
3~5年後には、もしかすると車が必要なくなるかもしれません。
その場合は、車を返却すれば、最初に「残価設定した価格」で引き取ってもらえるので、費用は基本的にかかりません。
例えば、200万円の新車を購入するため160万円の「残価設定ローン」を組んだとします。
この160万円のローンの支払いが終われば、残りの40万円で車を引き取ってもらえる形となるのです。
※この引き取ってもらった40万円は、最初「残価設定ローン」を組んだ際に差し引かれてローンを組んでいるので、現金で戻ってくることはありません。
◎そのまま車に乗り続ける
この選択が、実質一番多くなるかもしれません。
3~5年後にローンの支払いが終わった際に、車に愛着が湧いたり、買い替える余裕がない場合は、そのまま車に乗り続けることになります。
この場合は、例えば200万円の車を160万円の「残価設定ローン」で購入している場合、
ことになります。
こうしてみると、新車購入時の費用を安く抑えられるだけでなく、月々のローン返済額も低くなるので、メリットしかないようにも思えます。
しかし、実際にはそんな甘いことはありません。
デメリットもしっかり把握して購入されてくださいね。