<福岡県「沖ノ島」について>
「沖ノ島」は、2017年7/9に「世界遺産」登録が決定しました。
福岡県民の方たちは、とても誇りに思われたことでしょう。
「世界遺産」に登録されたのは、「宗像(むなかた)・沖ノ島と関連遺産群」です。
宗像市の「沖ノ島」は、玄界灘に浮かぶ周囲約4kmの孤島です。
「沖ノ島」は、遙か昔から「神宿る島」として、「宗像地域の人々」を中心に
崇拝されてきました。
島全体が[神領]とされ、神職の方でなければ行くことはできません。
◎「沖ノ島」の”しきたり”について
一般の人が「沖ノ島」に入れるのは年に一度、5月27日でした。
この5/27は、日露戦争・戦没者の慰霊祭を行っていました
しかし、世界遺産に登録が決定されてから、
一般人の参拝は中止されることになりました。
島に入れるのは神職の方だけですが、厳格な「しきたり」があります。
島に上陸した神職の方(一人)は、「社務所」横の浜で衣服を脱ぎ、首まで海に入って
禊(みそ)ぎをします。
冬でも、この「しきたり」は守られています。
「沖ノ島」は今にいたるまで「女人禁制」の信仰が続いています。
ほかにも“島で見聞きしたことを漏らしてはならない”「お言わず様」という「しきたり」や、
“「一木一草」も持ち帰ってはならない”という「しきたり」もあります。
これらの厳格な「しきたり」があったおかげで、島の遺跡も祭祀もずっと変わらず
守られてきたといわれています。
(「沖ノ島」の伝統も世界遺産の中に含まれています。)
◎「沖ノ島」の祭祀について
4世紀~9世紀にかけて、福岡県は朝鮮半島などと海上交流が盛んでした。
福岡県本土と朝鮮半島との間にある「沖ノ島」は、高度な航海技術をもった「宗像地域の人々」
にとっては道しるべでした。
そのため、航海の安全を祈る大規模な祭祀(さいし)が「沖ノ島」で行われていました。
その祭祀は、貴重な「奉献品」を膨大に用いたものでした。
そしてこの祭祀は、いつしか「宗像三女神」をまつる「宗像大社」の3つの宮での祭祀へと
発展しました。
(「宗像三女神」は、水上の安全などを司る神として、現在も日本全国で広くまつられています。)
千年以上たった今も、「沖ノ島」の姿は手つかずで残されています。
「祭祀遺跡」が、膨大な数の「奉献品」とともに残されています。
銅鏡や鉄剣などの武具、勾玉などの玉類、土器など、約8万点が「国宝」に
指定されています。
★「宗像大社」沖津宮(沖ノ島)
4〜9世紀の「古代祭祀」遺跡が厳格に守られてきた「神宿る島」
「宗像・沖ノ島と関連遺産群」世界遺産推進会議
(事務局:福岡県人づくり・県民生活部文化振興課世界遺産登録推進室)
tel 092-643-3162 fax 092-643-3163
mail sekaiisan@pref.fukuoka.lg.jp
「沖ノ島」に興味をもたれている方は沢山いらっしゃると思いますが、
残念ながら、「沖ノ島」には神職の方しか行くことができません。
ですが「大島」や福岡県本土に、「沖ノ島」の伝統を継承している地域があります。
そこには行けるので、「沖の島」へ思いをはせつつ、観光を楽しんでくださいね。
◎観光・参拝ができる地域
☆「宗像大社」 沖津宮 遙拝所
神職しか入ることができない「沖ノ島」を遥拝する、「大島」での信仰の場
宗像大社 社務所
〒811‐3505 福岡県 宗像市 田島2331
TEL 0940-62-1311(代) FAX 0940-62-1315
☆「宗像大社」 中津宮
「沖ノ島」ゆかりの「古代祭祀」遺跡を発祥とする、「大島」での信仰の場
宗像大社社務所
〒811‐3505 福岡県 宗像市 田島2331
TEL 0940-62-1311(代) FAX 0940-62-1315
☆「宗像大社」 辺津宮(へつみや)
「沖ノ島」ゆかりの「古代祭祀」遺跡を発祥とする信仰の場
宗像大社 社務所
〒811-3505 福岡県 宗像市 田島2331番地
TEL 0940-62-1311(代) FAX 0940-62-1315
☆新原(しんばる)・奴山(ぬやま)古墳群
「沖ノ島」で祭祀を行い、信仰の伝統を育んだ「宗像氏」の存在を示す古墳群
福津市教育総務課
〒811‐3293 福岡県 福津市 中央1丁目1番1号
TEL 0940-62-5093
※宗像三女神(海の女神)
「宗像三女神」は、伊勢神宮「天照大神」の御子神として誕生しました。
三姉妹の神様です。