<車の「緊急自動ブレーキ」>
車の「自動ブレーキ」について、「勝手にブレーキをかけて止まってくれるシステム」
と勘違いしている人はいないでしょうか?
車の「自動ブレーキ」とは、「緊急時の被害を軽減」してくれるシステムです。
危険を知らせてくれたり、衝突を回避してくれたり、被害を軽くしてくれるシステム
なのです。
「緊急自動ブレーキ」システムには、いろいろな種類があり、制限もあります。
例えば、”時速100キロ以下”でないと作動しないタイプから、
“時速30キロ以下”でないと作動しないタイプもあります。
自分の乗る車が、何キロのスピードで作動するのかわかっていないと、
過信しすぎて事故につながってしまうこともあるのです。
他にも、搭載している「カメラ」や「レーダー」によって、
前方を走行する車だけでなく、「歩行者」や「自転車」を検知して作動するタイプと、
「歩行者」や「自転車」は”対象外”の車もあります。
<「緊急自動ブレーキ」は大きく分けて4種類>
◎「赤外線レーザー方式」の自動ブレーキ
これは「簡易型」で、検知できる範囲は”8~10m”程度です。
「作動速度」の上限は、”時速30キロ以下”と低いです。
「歩行者」は検知してくれません。
検知できる範囲が狭く、作動速度が低く、歩行者も検知できないので、デメリットが目立ちますが、
その分”価格が安い”です。
“約2~3万円”で装着できて、システムもコンパクトになっています。
この「赤外線レーザー方式」の自動ブレーキは、主に「軽自動車」や「コンパクトカー」に採用されています。
◎「ミリ波レーダー方式」
これは、遠くまで検知でき、高速でも自動ブレーキを作動させることができます。
「ミリ波レーダー」を搭載していれば、「クルーズコントロール(オートクルーズ)」を備えることもできます。
「クルーズコントロール」とは、アクセルを踏まなくても、前の車に続いて、
一定の速度で”自動的に走行”するシステムのことをいいます。
ただ、対象物の反射(前の車のブレーキランプなど)を利用するシステムなので、
「歩行者」は検知できないです。
オプション価格は”6万円前後”です。
◎「(単眼)カメラ方式」
これは、「映像」として検知できるシステムです。
「映像」として検知できるので、人間の目で見る”視覚”に近い能力を備えています。
車だけでなく「歩行者」や「自転車」を検知して、緊急自動ブレーキシステム
を作動させることができます。
車種によっては、カメラを”2個”搭載して、より安全性を高めているモデルもあります。
また、”道路の白線”も「映像」で認識できるので、「車線逸脱・防止機能」を備えることもできます。
◎「複合方式」
これは、「赤外線レーザー」や「ミリ波レーダー」、「単眼カメラ」などを組み合わせて、
複数のセンサーで感知するシステムです。
「赤外線レーザー」や「ミリ波レーダー」だけでは「映像」を認識できないですが、
「カメラ方式」を取り入れることで「歩行者」「自転車」を検知することもできます。